勇猛果敢なネコ
先日のテレビで、飼い主の子供が犬に足をかまれたとき、ネコがその犬めがけて体当たりしたところ、犬はたじろぎほうほうのていで逃げ出した。一瞬のことであるにもかかわらず、体当たりをした部分やそのタイミングは見事なものでした。このシーンを見ていたわが家のムサシは、身の危険も顧みず、ネコがとっさにとった勇気ある行動に拍手喝采を送っていました。
私のような俗人には、ムサシが存命の時にこうした場面に遭遇したかったなどと思ったりしますが、ムサシにしてみれば、このような危険に遭わないようにすることが一番だと考えていたに違いありません。平穏無事に過ごせたことが物足りないなどというのは、単なる我儘であることは、重々承知しているのですが、武勇伝にあこがれる気持ちも少しあるのかもしれません。
しかし、当の本人は、そんな武勇伝はないものの、傷ついて飛べなくなった小鳥を介護したり、近所のネコがムサシのホームグランドで傍若無人に振る舞っていても、決して、威嚇することなどなかったことの方が誇りだったようです。実は私たち家族も、そうした彼の大らかで器の大きいところが大好きなのですが、相棒というものは、時にえてしてないものねだりをしてみたくなるもののようです。