ざおうハーブ
みやぎ蔵王三十六景の一つに数えられている塩沢大山果樹園団地の近くに、カモミールの畑があります。カモミールは、マーガレットに似た小さな花で、代表的なハーブです。雄大な蔵王連峰を望む丘で、高原の風に揺られる花たちは、いかにも可憐で、しかもたくましさも感じさせてくれます。もともとは荒れ地だった所を、肥料を与えて土の力を十分に養った上で、カモミールを植え、今年で3年目になるそうです。
カモミールは、ヨーロッパが原産地、比較的寒さに強いハーブで、ここに植えられているのは、ジャーマンカモミールとのことです。ハーブは、人々の生活に役立つものとして選び出されてきたもので、日本のしそや山椒もハーブです。カモミールの種小名(その植物の特徴を表す)のカモミイラは、小さなリンゴという意味だそうです。ヨーロッパでは健康茶として昔から愛飲されてきたという。
たしかに、リンゴの香りがします。のびのびと育って腰の高さまでになったカモミール畑に入ると、甘い香りに満たされ、何とも幸せな気分になります。高原の花畑には、テーブルと椅子が置かれ、白い雪が残る蔵王の山並み、風にそよぐカモミールに飛び交う蝶、鳥のさえずりなど、一人占めする癒しの空間が満喫できます。5月下旬から6月中旬にかけての開花期には、週末にハーブティのふるまいもあるそうです。