あじさい寺「資福寺」
仙台市北山にある資福寺は、北山五山の一つに数えられ、あじさい寺の名でも知られています。参道の苔むした階段の両脇や山門をくぐった境内、東の花心門まわり、雨良門を抜けた裏道まで、この季節にふさわしいしっとりとしたあじさいが咲いています。あじさいは別名「七変化」ともいわれ、開花から日がたつにつれて少しずつ色が変わっていきます。
白いつぼみが青や桃色になり、やがて淡紫へと変身します。千株というあじさいは、その色とりどりのところも魅力の一つですが、実は、このあじさい、花びらのように見えて、がくが変化したもので装飾花といわれ、本当の花は真ん中の小さな点のように見える部分なのだとか。ほとんどが装飾花になっているのが西洋アジサイで、日本原産、ヨーロッパで品種改良されたものです。
あじさいの原種は、日本に自生していたガクアジサイだそうです。しかも、あじさいは今から500万年から600万年前の新生代の地層からも、装飾花の化石が採集されているということです。そして、その後の氷河期を生き抜いてきたたくましい花なのです。境内にある竹林を眺める小書院で、抹茶をいただきながら、あじさいをじっくり鑑賞すれば、梅雨の鬱陶しさも和むことでしょう。