国宝「慶長遣欧使節関係資料」
国宝「慶長遣欧使節関係資料」のうち3点(仙台市博物館蔵)をスペインの関係資料とともに推薦され、2013年6月に「世界記憶遺産」に登録が決定しました。世界記憶遺産とは、「人類にとって、長い間記憶して後世に伝える価値を有する記録物」と定義されており、ユネスコ記憶遺産国際諮問機関によって1997年より登録が始まり、2年に一度、審査が行われます。
現在登録されているのは、フランスの人権宣言やアンネの日記、ベートーヴェン自筆の交響曲第9番楽譜などです。2011年、日本ユネスコ国内委員会の記憶遺産選考委員会が、この宝「慶長遣欧使節関係資料」を推薦し、認められたものです。慶長遣欧使節は、主君伊達政宗の命により、支倉常長が大使に任命され、1613年10月28日に月の浦(石巻市)から出帆しました。
使節団一行は、アカプルコ、ベラクルス、そして大西洋を渡り、エスパー二ャでフェリーぺ3世に謁見し、ローマに至り、ローマ教皇バウルス5世に謁見した後は、マドリードに戻り、フェリ―ぺ3世との交渉を続けました。伊達政宗にとって、西欧の文化は、食や美術・工芸に始まり、土木や航海術、軍事技術など、好奇心や探究心を刺激するものであったからなのでしょう。