八重桜も散ってしまいした
4月の半ばころにはサクラが満開になり、近くの公園も大勢の花見客でにぎわいます。この時期のムサシは、どちらかというと花を見るよりも、花見をしている人を眺めるのが好きです。そうかといって、サクラが嫌いなわけでもないのですが、少し遅れてやってくる八重桜をのんびり眺めるのが、性に合っているのかもしれません。もちろんその時は人もまばらです。
こうしてみると、わが家のムサシは人も好きだし、サクラの花も好きなのですが、季節の移り変わりを観察するのが何よりも好きなのかもしれません。いや、もしかすると、サクラ、菜の花、ツツジ、アジサイなどの花の色や香りから、自然の息吹を嗅ぎ取っているのかもしれません。ムサシが日々自然体で過ごせるのは、大自然の鼓動にあわせているからでしょうか。
春の訪れが遅いと言っては嘆き、春一番が吹けば愚痴を言い、花粉が飛び出したと言って顔をしかめる。生まれてこの方何十年も同じことを繰り返してきた身には、自然体のムサシがうらやましくてたまりません。しかし、「うらやましいと思うことが人間の特権なのだから、あまりくよくよしなくてもいいよ」とムサシは言ってくれますが、あまり慰めにはなりません。