ホヤの出荷始まる
三陸地方の特産品一つであるホヤは、東日本大震災により壊滅的な被害を受けましたが、あれから3年たった今年、ようやく出荷できるまでに育ちました。ホヤは、古くから生鮮食品として殻つきホヤやむきホヤとして流通し、加工して食べることは少なかったようです。そのためでしょうか、私たちが子供の頃は、ホヤは夏場に限るものと思い込んでいました。
しかし、藩政時代には、すでに「ホヤの切り込み」が作られ、塩だけではなく,塩麹も入れて「塩辛」にしていたようですが、一般的には、一塩して、すぐに食べるものでした。また、今では定番になっています「シソ巻き」は、下処理したホヤとナス、キュウリなどの夏野菜を拍子切りにして、塩をまぶし下漬けしたものを、青シソの葉できっちり巻き、これを容器に並べて塩を振って漬けます。
それに、石巻や本吉地方では、ホヤの上端を横に切って、さらに手前の殻を縦に包丁を入れ、身を取だし、内臓を取り除いて塩水で洗い、これに塩を少々振って焼いて干したものをお正月の雑煮のだしにしています。干しホヤは、夏に焼いて、からからに干すと、ホヤの香りが増すのだそうです。囲炉裏の上に吊った棚にのせて、いぶして保存していました。