いつの間にか高くなった空
若い時のムサシは家の中を歩き回るのが好きでした。私が家にいる時は必ず私の周りにいるのですが、仕事で外出した時などは、ひとりで二階に上がりベッドで昼寝をしていることもあったようです。それは、今の季節の小春日和の日などにそういう気分になったのかもしれませんが、今日の天気もまたそんな日にぴったりな秋晴れです。
街を歩くと、あの大震災の爪跡が至るところに残っていて、心が休まる暇はありませんが、季節だけは着実に変わっていることを感じます。寒さに震えながら瓦礫の処理をしたのは、つい先日のことのように思っていましたが、青い空がもうこんなにもまた高くなってしまい、それこそ小春日和が恋しく思える季節になってしまいました。
ムサシは犠牲になった友達のことを気遣いながらも、少し落ち着きを取り戻したようで、心なしか少し穏やかな表情になってきたようです。ムサシの喜ぶ姿を見るのが楽しみで生きてきた私たちにとっては、とても癒される瞬間です。大好物のリンゴもそろそろ収穫の時期を迎えるので、大きめのものを供えて上げようと思っています。