みやぎの雑煮(その1)
海の幸、山の幸をふんだんに盛り込んでいるのが「仙台雑煮」です。豪快に椀からあふれ出るハゼが何と言っても大きな特徴の一つで、ほかには板かまぼこ、ハラコ、大根、ニンジン、ゴボウの引き菜、ズイキ(芋ガラ)、凍み豆腐、干し椎茸、セリなど豊富に盛り込まれたもので、新年に相応しい豪華版の雑煮として有名です。
この豪華な雑煮は、伊達家伝来のものかと思われがちですが、実は全く別物だということです。伊達政宗の時代から、伊達家の雑煮は、干しアワビ、干しナマコ、ニシンのだし、具には大根、ゴボウ、凍み豆腐、黒豆、菜の茎(米沢特産の野菜)で、政宗公が城を構えた足跡が雑煮に表れているようですが、これも大変豪華なものですね。
仙台雑煮と共通する食材としては、大根、ゴボウ、凍み豆腐の三品だけですが、どちらも地場の産物をふんだんに盛り込んでいるという点では共通しています。仙台雑煮は、大根、ニンジン、ゴボウはせん切りにし、ゆでて凍らせておきます(年末に作っておきます)。この具のことを「引き菜」と言いますが、凍らせることで甘みがでて美味しくなります。