毛利コレクション
石巻市住吉町にある毛利コレクションは、故毛利総七郎氏が、庶民の生活や文化を後世に伝えようと、およそ70年をかけて各方面から資料を収集したものです。氏は、子供のころから切手の収集に興味をもち、これをきっかけにして資料収集を始めたといわれています。その領域は広く考古学・工芸・民族・歴史等に及んでいます。
特に、沼津貝塚で、石の鏃(やじり)を拾ったことから考古学に興味をもち、自費を投じて市内の遺跡の学術発掘を盟友であった故遠藤源七氏と共に行い、数々の成果を上げました。その後東北大学に委譲された考古学資料のうち、骨角器など473点、および現在のコレクションにある米山町網場遺跡出土の岩板は、国の重要文化財に指定されています。
コレクションの総数は未だ確認されていませんが、数万点に及ぶものと推定されています。その内容は、毛利コレクションでしか見られないものが多く貴重な存在となっています。また、石巻鋳銭場資料・アイヌ資料・庶民文化資料は、特に貴重なもので、石巻鋳銭場資料は近世の銭の鋳造関係資料では毛利コレクション以外には残っていない資料も多いといわれています。