蔵王町の鎌倉温泉
人里はなれた蔵王連峰の一画に、懐に抱かれるようにひっそりと佇む一軒宿。それが杉林に囲まれた鎌倉温泉です。建物は木造二階建てで、湯治場風の素朴な風情が漂う。温泉は、無色透明のアルカリ性冷鉱泉です。その昔、鎌倉権五郎影政という武士が夢の中で女神からその湯を教えられ、傷を癒したという伝説があります。
そのため「伝説の秘湯・女神の湯」とも呼ばれています。現代でも、肌荒れやアトピーなどに効果があったというお客様の声が多数あるとのことです。食事は、手作り野菜と地元蔵王産の食材を使用し、心を込めて作られたものでばかりなので、素材の良さが引き出され、ほっとするような美味しさが心に滲みわたります。
部屋には長火鉢と鉄瓶が用意されていますが、自家製の炭の暖かさは、何とも懐かしくとても心地よい。ロビーや豪華な施設はありませんが、生活の原点に立ち戻ったような素朴さは、もてなしの原点でもあるようにさえ感じさせてくれます。心も体も本来の姿に戻してくれる癒しがこの宿には確かに息づいているような気がします。