川渡温泉 高東旅客
鳴子温泉郷の玄関口にあたる川度温泉。川度大橋を渡ると木造の鄙びた旅館が並んでいます。その中の一軒高東旅館は、農業も営んでいる湯治宿です。昭和5年に二代目東五郎の家に岩手の東川院の住職が逗留した際に、「ここを掘れば万病に効く仏の湯が出る」との言葉のお陰で湧き出たのが、「東五郎の湯」ということです。
高東旅館では、古くから湯治を現代的に捉えた温泉療養を勧めてきました。館主の高橋亨さんは、日本健康開発財団認定の温泉入浴指導員で、お風呂の入り方や湯治全般についてアドバイスをしています。温泉の効用は、温熱作用、物理的作用、科学的作用によるものなど様々ですが、これらを理解して入り方を意識すれば高い療養効果が期待できます。
高東旅館のお湯は、含硫黄ナトリウム...炭酸水素塩・硫酸塩泉です。神経痛やリウマチ、糖尿病、皮膚病に効能があります。高橋さんは一人ひとりの症状に合わせて工夫をしています。例えば、腰痛の人の場合でも2階の部屋を用意し、階段の上りおりと温泉浴で早く治るように組み合わせています。3日から10日ぐらいの療養で、入浴回数は、最初は1日に1・2回、中ごろには3・4回、終わり頃はまた減らす形が望ましいとのことです。