心配そうなムサシの表情
かなり前の話ですが、散歩の途中で携帯電話を落としてしまったことがありました。季節はちょうど今頃のことだったと思います。何時ものようにムサシと一緒に散歩に出かけ、店まで辿りついたのですが、どこかで携帯電話を落としたことに気がつきました。何時もなら車に乗り込み皆で帰るところなのですが、私だけ電話を探すことになりました。
家内の携帯電話を借りて、時々自分の携帯に電話をしながら、今歩いてきたコースを逆に辿ることにしたのです。50分ほどの行程だったので、逆に辿るといっても心当たりを探しながら歩くには結構骨が折れる作業でした。それでも、あるとすればこのコースしかないと思い、必死に探しましたがなかなか見つからず、なかば諦めかけていました。
一応、交番に紛失届を出したのですが諦めきれず、暗くなりかけた街をさまようように探しまわりました。というのも、電話をしてみると誰も出ないので、まだ誰かに拾われていない可能性が高いと勝手に思ったからです。最後に一縷の望みを託し、はじめに通った公園で携帯を鳴らしたところ、草むらから聞き覚えのある着信音が聞こえてきたのです。早速ムサシに報告したとろ、彼も一緒に喜んでくれ表情に明るさが戻りました。