どちらが最初でも悲しみは同じ
先日あるテレビで、飼い主の最後をたった一匹でみとったワンちゃんの話がありました。実はわが家でもムサシをそんな目に会わせたくないものだと常に念じておりました。そうした意味では私たちにみとられながら逝ったムサシは最高に幸せ者だと思います。しかし、それはどこで必死に自分に言い聞かせているに過ぎないのです。
ムサシの存在感は今でも健在ですが、やはり彼を失った悲しみは未だに癒えることなどありません。つい最近、ムサシによく似たワンちゃん「黒のラブラドール」に会いました。顔も体つきもよく似ているのでそばに寄って触らせてもらいましたが、何とも言えない感触で、若いころのムサシを思い出しとてもハッピーな気分になりました。
ところがしばらく触っていると、なんだか急に悲しさが込みあげてきてワンちゃんから遠ざかってしまいました。ロンちゃんやレオ君、コロちゃんとはとても仲良しで、会うと別れが辛くなるくらいなのに自分でも不思議でなりません。その晩はムサシに悲しみを悟られまいと思い黙っていましたが、ムサシも同じ思いだったようでした。