松島ブリューイングカンパニー 夢実の国
仙台市中心部から車で30分。天然温泉もある「松島ビール」は、宮城県内第一号として誕生した地ビールだ。温泉が先で、地ビールはドイツからブラウマイスターを招き指導を受け、1997年にスターチとしたそうだ。「基本はドイツスタイル、どうしたら基本に忠実で、しかも美味してビールになるか、試行錯誤の連続です」と話すのは工場長の小畑直樹さん。創業から22年、母体が健康食品会社とあって、シジミなどを使った発泡酒を作ったり、様々な挑戦を続けている。ここでビール醸造技術を学び、東京や塩釜で自分のブルワリーを開いている人もいるという。定番は4種類。
香ばしい苦みが特徴のデュンケル、酵母の味が生きたヴァイツェン、フルーティーで苦みと甘みのバランスがいいへレス、濃い味わいのボック。特にボックは麦芽を通常の1.5倍使用し、熟成期間も倍の長さという贅沢でオールド感あふれるビールだ。他に、自家栽培のいちご「もういっこ」を使った松島いちごラガー(販売元は宮城郡松島町・むとう屋)を醸造。キャラメル風味の発泡酒も模索中とのこと。ここは天然温泉「夢実の国」が併設されていることも大きな特徴だ。こんこんと湧き出る豊富な湯量を利用して、最上段の源泉の湯から階段状に配された5つの浴槽を楽しめる。その内4つは露天風呂とあって、この上ない解放感を味わうことができる。
体の芯まで、香り豊かな松島ビールをゆったりと楽しむ時間は、明日の活力を作り出してくれるだろう。ビールお供にはスペアリブやソーセージの盛り合わせがおすすめ。食事には、大郷町名産のモロヘイヤが入ったうどんも健康的でいい。松島ビールは、松島町のホテル・旅館や飲食店でも提供される。他に伊達政宗麦酒シリーズもあり、仙台駅などを中心に販売されてている。工場長に美味しい飲み方の一つを教えてもらった。地ビールは熱処理していない生ビールなので、冷蔵管理が大切だが、あまり冷やし過ぎない方がいいとのこと。飲む30分前に冷蔵庫から出しておき、1度くらいの温度でグラスに注いで飲むとほのかな香りやしっかりとした苦みのバランスが楽しめるそうだ。