割烹 天ぷら 三太郎
天ぷらの名店として、古き良き料亭街の面影を残す立町に建つ割烹 天ぷら 三太郎。お座敷割烹時代、常連のリクエストから生まれたというしゃぶしゃぶ会席は、仙台牛のロース肉を北海道産の昆布でとっただしにサツとくぐらせ、赤身が桜色になった三太郎秘伝のポン酢とピリ辛のごまだれでいただく。具材の布陣を固める野菜に交って、特筆すべきはよもぎの生麩。
他にも、にらや湯葉といった滋味ゆたかで体に優しい食材がふんだんに使われているのが三太郎ならではだ。「仙台牛は色合いが良くて、油の旨味が上品。当コースでは、最後に残ったスープにご飯かうどんを入れ、味噌仕立てで召し上がっていただきます。味噌は勿論仙台味噌ですよ」と笑顔で話すのは女将の樫原貴子さん。仙台牛のコクと野菜の味を一滴残らず堪能できる一椀が嬉しい。
お腹を満たした後は、1月末にオープンした茶房「三」で口福の余韻を楽しもう。円形テーブルのカウンター10席のみが用意された空間は、凛とした禅の世界が広がる現代風ティーサロン。伝統本玉露「さえみどり」をはじめ、季節を取り入れた生菓子は、和菓子の老舗「賣茶翁(ばいさおう)」が三太郎のお客様だけに提供するオリジナル和菓子だ。アルコールも用意しており、中庭から望む「繁栄の滝」の音が、最高牛肉の余韻に優しく響く。