黒毛和牛 牛正 仙台店
「市場の買い付けに行くと、ずらりと並んだ枝肉の中から良い肉は一目でわかりますね。肉が纏う上質なオーラというか、それはもうひとめぼれに近い」。代表取締役の西條正文さんが熱っぽく語る。2001年石巻に創業、6年後にオープンした仙台店と共に焼肉の名店として多くのファンを持つ牛正。安心安全な肉にこだわり、30ヵ月以上飼育した未経産の雌肉しか使わないという。きめが細かいサシと肉質の柔らかい雌肉を一頭買い。
仙台牛を余すことなく楽しむスタイルは、創業以来変わることはない。最高ランクの焼き肉コースに並ぶ肉は12種類。一頭買いだから提供できる珍しい部位も揃う。食べやすさを考えて隠し包丁が細かく入れられ、どの部位も心地よく喉を通っていく。炭火の上で焼く肉からはココナッツに似た甘い香りが立ち上がり、聞けば「和牛香」という名の香りだという。輸入肉では感じたことのない、特徴的な香りだ。「良い肉は香りが違うし、焼ける音も違う。
肉の表面にきれいな焼き色が付くし、美味しく焼き上がった瞬間に音が変わる。いつまでも網の上に置いておく人には肉が熱いと言っているよと助言するときもあります」と笑う西條さん。美しいサシ以上にこだわっているのは、肉そのものがもつ脂質と味、そして誰もが求める安心安全な肉であるということ。少量ずつさまざまな部位を堪能するもよし、好きな部位をダイナミックにお腹いっぱい食べるのもよし、出されると肉のすべてに新しい発見がある牛正セレクトのバリエーションは、焼き肉の概念を変えることだろう。