漫画「ぴよちゃん」が面白い
以前にも紹介しましたが、「ぴよちゃん」とは、河北新報に連載されている漫画です。先日の内容は、わが家と似ているところがボクは特に面白いと思いました。その中身というのはこうです。まず、「お母さんが、コーヒーとおぼしきビンの蓋を開けようとして格闘しているのを見た長男が、チャレンジしますがやはり開きません。そこへ登場したのがお父さんです。どれどれ、おれにかしてみろということで、ビンの蓋をねじり始めましたが、やがて、パカンという音と共に蓋が開きました。喜んだお母さんは、さっそくコーヒーを入れて、それをすすりながら言いました。"お父さんと一緒になって本当に良かった"。するとお父さん、おまえ、ゴキブリが出たときとビンの蓋を開けたときにそれを言うな!」。わが家ではこんな大袈裟なことは言いません。第一、オヤジには力仕事をほとんどやらせませんので、こうしたシーン自体があまりありません。わが家のお母ちゃんは、自分の方がオヤジより力が強いと思っているからです。
それにもかかわらず、その話をオヤジから聞いたお母ちゃんは、"うちと同じね"というのです。面白いのは、オヤジがお母ちゃんに振れば、必ずそういうに違いないと確信しているのです。案の定、オヤジの思惑通りの結果になりました。さらに面白いのは、実態は真逆であることを百も承知のはずなのに、そう言わせたいオヤジと、そう言っておけば角が立たないと思っているお母ちゃんのしたたかな戦略が見えることです。これはもう、嘘つきとかなれ合いというレベルのものではありません。共同戦線で戦っている運命共同体の二人が、長年かけて生み出した苦肉の戦略なのでしょう。そうとでも言わなければ、二人を熟知しているボクの目の前で、こんな白々しいことを真顔で言えるはずがありません。皆さんの家庭ではいかがでしょうか? 「本音をぶつけ合えば、必ず解り合える」などと言うのは、まだまだ修行が足りないというほかありません。傷をなめ合うのもどうかと思いますが、少なくとも、傷に塩を塗り合うよりははるかにましです。
ところで、漫画の主人公であるぴよちゃんとネコの又吉君の関係ですが、これがまた面白い。ぴよちゃんは又吉君のことを弟のように思い、食べ物などは、「必ず又吉の分」と言ってとりわけしておく優しい女の子です。一方の又吉君は、ぴよちゃんのことを妹のように思い、何かにつけて、ぴよちゃんを「賢い子やなぁ」とか「優しい子やなぁ」というってヨイショしています。どういうわけか又吉君だけが関西弁というも面白い設定です。それはともかく、ぴよちゃんと又吉君の関係には、作者の哲学のようなものが潜んでいるように感じられます。そのことについては、特にオヤジと話したことはありませんが、漫画はほとんど見ないオヤジが、毎日楽しみにしているところを見ると、何か学ぶところがあるからなのでしょう。これからは、ボクもオヤジやお母ちゃんと一緒に学び、世界を広げて面白いと思ってもらえるようなブログをより多く配信したいと考えています。今日はこの辺で失礼し、お母ちゃんが供えてくれた大好物のリンゴをいただくことにします。