ホヤのレンジ蒸し
みやぎの海の幸「ほやの旬」の到来です。3月頃から本格的な水揚げが始まったほやは、徐々に身が厚くなり、6月から7月頃に旨みも最高潮の食べ頃を迎えます。一般に流通しているのはマボヤで、出荷サイズになるまで3年から4年かけて成長します。産地は気仙沼、南三陸、女川、石巻などで全国の水揚げの約8割を占めています。今年も昨年並みの1万3000tの水揚げを見込んでいます。蒸しほやや味付けほやなど様々な加工品も登場しているので、ぜひ食べてみてください。ほやの特徴は何といっても"甘み、苦み、酸味、塩味、旨味"の5つの味覚をすべて感じられる唯一の食材だということ! 栄養面では疲労回復に効果があるグリコーゲンやタウリンとともに、生命活動の基本となるミネラルもたっぷりです。
今回は思いっきりおしゃれな酒蒸しをご紹介します。そのままでも美味しいのですが、和洋中3種類の調味料でバリエーションも楽しめます。作り方は、1.ほやの皮をむいてよく洗い、食べやすい大きさに切っておく。2.耐熱容器にほやと酒を入れ、ふんわりとラップをかけてレンジで1分程度加熱する。3.お好みでいろいろな調味料や薬味をかけて完成です。ほやの上部をみると+と-の突起があるのがわかりますが、さばくときはぜひ+の側から切りましょう。中の水分が飛び散るのでシンクの中で包丁を入れるか、キッチンバサミを使ってもいいでしょう。また、黒い部分はほやの肝臓で独特の苦みがありますから、お好きな方はそのままで、苦手な方は取り外してから食べることをお勧めします。
実はほやは90%が水分でできていますが、その身の中にはミネラルがたっぷり凝縮されています。消化吸収も非常によく、とても優秀なたんぱく質の供給源といえる食材です。春のほやに較べると、夏のほやにはグリコーゲンが8倍近く含まれます。さらに、1つ食べるだけで一日に必要な鉄分量の1/3を満たすことができます。また、認知症予防にも効果があるといわれている脂質の一種・プラズマローゲンもとることができます。殻付きのものは、皮がパンパンに張って太っているものを選びましょう。むき身なら鮮やかなオレンジ色でつやのあるものを。ほやはとにかく鮮度が命! 買ってきたらすぐに調理して食べましょう。