やまもとファームみらい野
山元町の東部地区は、東日本大震災の津波で甚大な被害に遭いました。被災した多くの農家は、復旧を断念。町として約500haの土地を整備する計画があり、そのうち350haをの農地として活用する方針となりました。「やまもとファームみらい野」は、その趣旨にのっとり、地域の農業の復興を目的として、2015年7月に設立されました。農地として1120Haの活用が期待されており、現在は80haを引き受けています。さらに来年には110haにまで達する見込みです。
露地栽培を主としてスタートした会社ですが、この周囲は大雨が降ると冠水しやすく、農作物に影響が出てしまいます。経営を安定させるために、昨年の3月からトマトの施設栽培を始めました。当初はGAPの取得は予定していなかったとのこと。そかそ、設立時点からJAの支援を得ている関係で、GAPの認定を受ける話が浮上。国が推進していることもあり、将来的に、販売するうえで必要になると予測して、認証取得に向けて取り組んだそうです。
やまもとファームみらい野の代表取締役 島田孝雄さんは「GAP取得は、会社として決め事を明確にし、作業する一人ひとりが規範を認識していくことで、可能となりました。消費者の皆さんに、安全な環境で栽培されていることを知っていただきたいですね」と微笑まれました。また、「この被災農地を活用し、会社を継続していくために、今後も努力していきたいです」と力強く抱負を語られています。コンピュータで環境制御された66haのハウス内では、養液栽培により育てられたトマトが赤く色づいていました。