ここは、乗馬体験だけでなく、小屋の掃除やブラッシングなど馬の世話を体験することができます。馬の温もり息遣いを間近に感じ、穏やかな気持ちになれます。泉ケ岳の麓で体験できる「馬のいる日常」とはこういうものかと、ライダーも納得できる。「ゼロ村牧場 パカラッチョ!!」は、３年前、豊かな自然の中で馬やヤギと触れ合う暮らしを取り戻そうとオープンしました。 

そのプランの１部はこういうものです。まず、馬小屋の掃除です。牧場長の平井嵩昇さんと共に牧場の看板馬・アース君の小屋に入り、ぷんと床の上に固まったおがくずを取除きます。続いては引き馬体験です。よじ登るようにして馬上へ。ゆっくり歩くアース君の揺れに呼吸を合わせていると、自分も自然の一部だという思いが湧きあがってきます。最後に感謝をこめてアース君の体にブラシをかける。 

アース君は心地よさそうに鼻を伸ばします。「ここでは自然の厳しさ優しさの両方を感じながら遊ぶことで、子どもも親も成長します。子供は自分で考えて行動するようになり、親は見守ることで、子どもの望むものが見えてくるのです」と平井さん。そんな中で馬が、人間と自然とをつなぐ役割を担うのだそうです。体験は時間にして1時間ほどですが、アース君と心が通じた気がしてくる。そして、最後は何度も首筋をなでながら「ありがとう」話しかける。