おおくま花畑
国道4号線からわかれ、6号線を経て県道52号に入ると、田沢浄水場を右折した先の阿武隈川沿いに、河川敷を埋めつくすように咲くヒマワリが見えてきます。電車の場合は、常磐線逢隈駅の手前ですぐ西側にヒマワリ畑を見渡すことができます。ヒマワリは太陽をむいて咲く花といわれますが、実は太陽を追うのはつぼみが咲き始めるまでで、やがて動きが小さくなり、咲きる頃にはどの花も東向きになるのだそうです。
車窓からは一斉にこちらを向いたヒマワリを見ることになります。「仙台の学校に通っている学生が、電車から花畑が見えてくると、ああ亘理に帰ってきたと、ほっとするという話をききました」。亘理の逢隈地区まちづくり協議会の村上収会長と小野幸治事務局長の話を聞くと、花畑は故郷の景色なんだとつくづく思います。平成20年の生涯教育推進委員会事業として、地域の皆さんが花畑づくりを手がけてから10年近くになりますが、大震災の年には「がんばれ みやぎ」の大看板を地元の中学生たちが手づくりしたそうです。
1.6haの土地に咲く約5万本のヒマワリは、9月に入ってから咲き始めるという、開花時期を少し遅らせるために播種時期を調整して、7月に種を蒔くのですが、2年前からは、逢隈中学の生徒と逢隈小学校の5・6年生により種まきが行われています。花畑もそうですが、道案内のためのプランターも、子どもたちが作るそうです。ふるさとの景色は、ますます豊かな情景を創り出してくれるでしょう。見頃を迎えるのは9月上旬から中旬にかけてですが、今の時期は、楽天カラーのクリムソンクローバーが咲き乱れています。