メルヘン洋菓子店
仙台市の東照宮といえば、春の桜の名所として知られています。その門前町である宮町の通りは、かつて両側に立派な桜並木があったそうです。今も若木ではあるが並木があり、春ともなればかれんな花を咲かせます。そんなかれんさを映したかのような桜スイーツが、この「桜ムース」です。はじらうようなピンクの微笑を浮かべたケーキとでも言いましょうか。
やわらかい求肥の中には、生クリームと桜あんが入った、ふわふわとしたムース。何ともいえない優しい味です。東照宮のすぐ前にある「メルヘン洋菓子店」は、創業36年という町のケーキ屋さん。吉田利行さんはまっ白なコック帽がきりりと似合う人で、朝5時には厨房に立つそうです。菓子づくり57年の職人です。そんな尊敬するお父さんから菓子づくりを習ったのが、店長でもある娘の由起子さん。
由起子さんが作る砂糖衣も愛らしくデザインされたアイシングクッキーが、お父さんが作るケーキとともに美味しそうに並びます。桜スイーツは、他にも「桜モンブラン」「桜ロールケーキ」があります。いずれも桜の味はちょっと苦手という方でも、春の香りを楽しめるほのかな味が嬉しいスイーツです。このお店の斜め向かいにある仙岳院の桜も美しいし、裏手の延壽院のしだれ桜も見事です。