少子高齢化社会を考える
相棒のオヤジの話によると、「自分がまだバリバリの現役だったころ、よく話題になっていたのが少子高齢化だった」ということです。その頃は、65歳以上の高年齢者が国民全体に占める割合が14%台で、20年後には20%台に突入すると言われていましたが、正直なところあまり実感がわかなかったようです。それが、今はなんと30%に迫る勢いで高齢化が進んでいます。地方によっては50%を既に超えている所もあります。確かに、ボクの家の回りからも、子どもの声が聞こえてこなくなっています。それに引き替え、町で見かけるのは老人ばかりになりました。
ところで、高齢化は少子化とセットで議論されることがありますが、考えるまでもなく、「高齢化」と「少子化」は直接因果関係があるわけではありません。つまり、高齢者が増加したのは、医療などの進歩によって、国民の寿命が延びたからであって、そのために子どもの数が少なくなったわけではありません。しかし、考えようによっては、子どもを産み育てる環境が悪化している原因は、高齢者のための医療費がかさみ、子どもを育てる環境を整備する予算が不足しがちになっているためと見ることもできるかも知れません。
しかし、人は誰でも年を取り、やがて高齢者になる筈なので、「高齢者」という特別な人間が存在するわけではありません。高齢者に少子化の責任があるとすれば、現在のようなアンバランスな社会を作ってきたことにあると思います。世代間で予算の分捕り合戦をするような議論は自分自身との戦いであるということに気がつくべきではないでしょうか。少子化に対する抜本的な解決策は、なかなか見つからないかも知れませんが、「増加しつつある空家を活用して保育園を増やす」「高齢者の知恵と経験を子育てに活用する」など、智慧を搾りたいものです。