悲しいから泣くのではない
人は悲しい時にだけ泣くのではありません。ボクから見ると、悲しい時よりむしろ嬉しい時の方が泣くことが多いように思います。どうしてそんなことが言えるのかと問われれば、確かな根拠はありませんが、それでも、悲しい時は涙も出ない時がありますが、嬉しいときはほとんどの人が涙を流します。あの東日本大震災のときも、あんなに悲しい現実に直面しているのに、気丈に振る舞い涙をこらえている姿をいっぱいみました。
ところが、心温まる気遣いや手助けを受けると、思わず涙があふれ出てしまう。それが自然なのではないでしょうか。ただ、涙を流すことと泣くことは同じではありません。それが証拠に、心の中で泣くという表現があるように、むしろ涙をこらえているときの方がよほど悲しいともいえるかも知れません。その点、嬉しい時は心の中で涙をこらえる必要がないため、涙腺が全開になり涙が流れ出すのだとボクは思うのです。
心理学的では、こうした現象をどのように説明づけているのか解りませんが、少なくしも、涙を流すことで、悲しみや痛み、そして喜びの度合いを推し量るのは、あまり科学的ではないような気がします。しかし、大泣きをする人が優遇されるというのが現実で、世の中に迷惑をかけまいとして、歯を食いしばって生きている人達を後回しにしては不公平です。心の叫びを聞き分けるのが、行政や政治の役割ではないでしょうか。