お母ちゃんとオヤジの珍道中(横浜編)
横浜に向けて出発した時の顛末については先日お話した通りですが、同級会に間に合ったことでオヤジは気持ちが落ち着いたようですが、お母ちゃんが余り反省していないように見えました。そのわけを聞いてみると、意外な答えが返ってきました。「私が電車に乗り遅れたのに、どうしてお父ちゃんは私を置いて行ってしまったのか。もしも、逆だったら、私は一人で電車に乗るなどということはしないで、次の電車を待っただろう」というのがお母ちゃんの言い分のようです。つまり、オヤジは薄情ものだというわけです。
これに対して、オヤジの弁明は、ちょうど次の電車に空きがあったら結果的に遅れることがなかったが、同級会に二人で出席しますと答えた手前、二人とも会に間に合わなかったら、面目が丸つぶれになってしまう。せめて自分一人でも先に出席していれば、お母ちゃんが後から「遅れてすみません」といって出席すれば、何とか面目が立つのではないかと考えたのだという。決して、いざというときに、お母ちゃんを置去りにする薄情者ではないと言いたいようです。いずれにしても、この話はそう深刻なものでないことは確かです。
それよりも、ボクがおかしかったのは、そもそも、横浜行きを決断したのは、オヤジが腰を痛めていて少し長い距離を歩くことに不安があったため、お母ちゃんの「私が付き添うから」という後押しがあったので、ようやく決定したものです。介助するはずのお母ちゃんが間に合わず、オヤジが猛ダッシュで階段を駆け上がり、発車のベルが鳴りやんだ電車に飛び乗ったということです。それなのにお母ちゃんは、すみませんなどとは決して言わず、「いいリハビリになったでしょう!」といい、言葉も顔つきも超クールなことです。