お母ちゃんとオヤジの珍道中(秋保温泉編 その2)
お風呂のシャワーの件については、お母ちゃんも同感だったらしく、アンケート用紙に早速記入したようです。どちらかと言うと、オヤジはこうしたことは好まないのですが、お母ちゃんに言わせると、「言ってあげないと気がつかないこともある。他のお客さんもそう思っているはず」ということで、迷うことなく指摘することにした。たた、お母ちゃんもオヤジも、少し後味が悪かったとみえて、早めに朝食を済ませると早々にチェックアウトすることにして、フロントに向かいましたが、そこで意外な事実を知らされました。
それは、宿泊料の精算をしようと、オヤジがクレジットカードを提示した時のことです。なんと、料金はすでに支払い済みだというのです。二人は、その時はじめて今回の旅行の企画が息子たちのサプライズであることを知ったのです。いつもなら、チェックアウト前に一風呂浴びるお母ちゃんが、今回は珍しく早く帰りましょうといったことを後悔しているようでした。息子たちの招待であることを知っていれば、もっと存分に楽しめばよかったというわけです。シャワーの件はマンネリになっていたことに対する鬱憤はらしに過ぎなかったのです。
思いがけないプレゼントに、少し財布が重くなったような気がして、10日後に控えている東京・横浜行きの予算が金額以上にゆとりができたような気分になったようです。終わりよければすべてよし!こうして秋保の旅は、大いに余韻を楽しむことができました。「来年も又あるといいね!」と思ったかどうかまではボクは分かりません。ボクの役割は、お母ちゃんとオヤジの平穏な暮らしを見守ることなので、こうしたサプライズを仕掛けることはできませんが、それは二人ともよく解っているはずです。