そば亭 山彼方(やまがた)
名取市にある、そば亭 山彼方(やまがた)は、秋田県北秋田市(旧鷹巣町)で解体直前だった大正時代の豪商「相馬家」の屋敷を移築し復元したものだそうです。どこか懐かしさを感じさせられるしつらえで、旅情を誘うような雰囲気に浸りながら、じっくりと食事を愉しめます。「山形の食文化の紹介をテーマにしています」と武田博さん。オクラやキュウリ、ナスなどの夏野菜や香味野菜を細かく刻んだ「だしそば」や、玄そばを冬の冷たい清流にさらし、天日干しした「寒ざるそば」などが季節ごとに登場します。
そばを主とし独特で奥が深い山形の郷土料理をアレンジしたメニューが人気だとか。この季節を楽しみにしている人も多いのが「芋子せいろ」です。牛肉と里芋の入った醤油味の山形風芋煮汁でそばをいただく。ごぼうやニンジン、こんにゃくなども入って具沢山。味の染みた具材と一緒にそばを味わえて体が温まります。そばは香りのよさとともに甘味を感じられる山形の品種「でわかおり」を使ったニ八そばです。山形のそばと言えば太い田舎そばをイメージしますが、「宮城では細めを好む方が多いので、地域に合わせて細打ちをしている」とのことです。
女性に人気なのはそばにサラダや天ぷら、だし巻き卵、デザートなどが付くそばランチだそうです。ゆったりとした店内は、靴を脱いで上がる座敷なので、子供のいる家族連れやグループでの利用も多い。この店では、この秋から、「山彼方SOBA寄席」を開催しています(2ケ月に1回)。東北弁落語でおなじみの六花亭遊花さんの寄席の後、そばランチやそば会席を楽しめるというもので、そばファン、落語ファンにはたまらない企画です。昼、夜2回、完全予約制で各回限定40名(次回の予定日は直接問い合わせ)だそうです。