近所のおじさんご夫婦のその後
ボクとオヤジが散歩するとき、必ずと言っていいほど出会うおじさんがいました。それも朝晩です。朝は、仕事の帰りらしく作業着を着ていたように思います。初めはどこに住んでいるのか解りませんでしたが、意外にもわが家のすぐ近くだったのです。そのおじさんはがっしりとした体格で、いかにも人のよさそうな人だったのですが、ボクにはそれほど犬好きには見えなかったのです。それでも、"おい!ムサシ君"といつも優しく声をかけてくれました。
それから間もなくわかったことなのですが、オヤジとも大の仲良しのコロ君とも親しいようなのです。コロ君がそのおじさんを見かけると、オヤジと同じくらいに、いや、それ以上に喜ぶ姿が印象的でした。聞けば、おじさんとコロ君はかなり前からの知り合いだということでした。その時のおじさんの姿を見ていると、心からコロ君を可愛がっているようで、犬好きではないなどとはとても思えなくなったのを覚えています。
それからというもの、おじさん、おばさん、コロ君、オヤジ、ボクが一堂に会すことが多くなりました。おばさんもやさしい人柄で物静かな人でした。それが、2年か3年前から、留守になり、自転車だけが庭に置かれているのが確認できるだけです。オヤジもお母ちゃんも、どうしたのでしょう?どちらかが入院でもしていて、付き添っているため、めったに家に帰らないのではなどと、勝手に推測しています。もしも、そうだとすれば、一日も早い回復を願うばかりです。コロ君も心待ちにしていることでしょう。