引取屋さんだけの罪ではない
いま、日本各地でワンちゃんやネコちゃんをめぐるトラブルが起きているようです。トラブルの原因は、お世話ができないのに大量に飼育している、飼い主が公園などに遺棄する、などによるもののようですが、こうした行為は昔からありました。国がこうした住民の苦情にこたえる形で動物愛護法を改正し、飼育放棄や殺処分をより厳しく取り締まることなりました。飼い主が高齢になりペットを飼い続けることができなくなったという例も多くなっています。
そこで登場したのが「引取屋」です。しかし、引取屋さんはペットを引き取ったとしても、もともと飼育に適した施設を持っているわけでもないので、結局は山奥など、人目につかない場所に遺棄するか、あるいは劣悪な環境の中におき、命が尽きるのを待つといった対応しかないのが現状です。ペットが可愛いので飼育したいというのも本音ですし、高齢になって飼育し続けられなくなったという実情も理解できます。しかし、いずれも、ワンちゃんやネコちゃんの責任ではありません。
これで動物愛護と言えるのでしょうか。わが家では、お母ちゃんもオヤジも、そしてもちろんボクも顔を見合わせて泣いています。人間のエゴに端を発したトラブルを「引取屋」だけに擦りつけていては埒があきません。法律で処罰するだけでは、別の「必要悪」が登場するだけで、抜本的な解決にはならないことを知りながら、「そういうことはいけません」としかりつけたところで、犯罪は減少する筈かありません。抜本的な解決策は、そう簡単にはみつからないかも知れませんが、もう少し知恵を出すことはできそうです。