(一社)田代島にゃんこ共和国
北上川河口から網地島ラインの船に乗り、1時間ほどで田代島に着きます。港に上がると人懐っこい猫たちが迎えてくれます。猫の島として有名で全国から、そして海外からも猫好きの人々が訪れます。島の人々は主に漁業を生業とし、季節ごとにアワビやウニ漁、カキの養殖を行っています。島に住む野良猫たちは住民が共同で餌をやり、大切にしてきました。平和で楽しい猫の島は震災の津波で海岸近くの家々はカキ養殖の資材、カキ剥き小屋などが流出し、猫たちも犠牲になりました。
そのため、カキ養殖に携わる猟師たちが「にゅんこ・ザ・プロジェクト」を立ち上げ、シマの復興支援をホームページなどで呼びかけました。すると全国から1万人以上から多くの寄付が寄せられ、そのお金は種ガキや養殖資材の購入、漁船の修理、そして月200㎏必要な猫の餌代などに活用させて頂きました。プロジェクトは2012年に一般社団法人田代島にゃんこ共和国となり、着実に島の復興に取り組んでいます。
代表理事の尾形千賀保さんはカキ養殖の漁師で、「漁業も復活し、支援してくれた人に約束のお礼としてカキを送りましたが、復興に向かって嬉しいといったハガキの言葉に私たちも嬉しくなり、本当に感謝しています」。理事で猟師民宿「はま屋」を営む濱温さんは「猫たちも頑張って生きていけますよ。獣医さんがボランティアで定期的に猫の健康状態を診て治療もしてくれるので心強いです。
みんなといずれは猫の老人ホームも作りたいねと話し合っています」。島内の散歩は猫好きにとって最高の楽しみです。港、細い路地の住宅街、高台で眺めのいいマンガアイランド、猫神社などが散在しています。それらの場所を縄張りとする猫のグループがいるとか。時には声をかけると着いてくる猫もいます。餌をやったり遊んだり、写真を撮ったりと幸せな時間を過ごせる島です。