お母ちゃんの常識
どういった風の吹き回しか、「お母さんは常識人だからな!」と、突然オヤジが言い出した。何かの話の続きなのかもしれないが、お母ちゃんにしてみれば、当然、そんなことはありません。自分では常識がないと思っていますよ!と応えるしかなかったようだ。するとオヤジは、「日本の常識は世界の非常識」という言葉があったが、「世の中の常識はお母さんの非常識なんだから、お母さんは常識人なはずだ。」などとわけのわからないことを言いだした。
この話にはとうぜん裏があり、オヤジにしてみれば、ちょっと頼みにくいことがあり、その前にちょっとお世辞を言おうと思ったのですが、お母ちゃんにあっさり切り返されてしまったので、思わず屁理屈を言ってしまったようです。そんなことはわが家では日常茶飯事なので、"ほどよいじゃれ合い"くらいにしか思っていませんでしたが、オヤジが、「ムサシはどう思う」とボクに振ってきた。あまりにも意外な展開だったので、思わず、「お母ちゃんの言葉は絶対だ!」と応えてしまいました。
三人は、苦笑いをするどころか、お互いに顔見合わせて、大爆笑することになりました。そうなんです。ボクもあのテレビ番組が大好きで、一度あの言葉を使ってみたかったのです。おまけに、お母ちゃんが、「そういえばムサシの顔は、トキオの誰かさんにそっくりね!」などと云うものですから、さらに大大爆笑になりました。え?どこがですって!仕方ないから言っちゃいましょう。「怒った表情をしても目が優しいところ」だそうです。本当のことしか言わないのが、お母ちゃんの悪い癖。