ムサシの見解
わが家では、お母ちゃんが無類の動物好きであることもあり、ワンちゃんが登場するテレビ番組には釘づけになります。当然、ボクもオヤジも付き合わされて見ることになりますが、時には悲しい場面を目にすることもあります。先日も、「兄弟のように仲良しだった少年が、交通事故に遭い死亡してしまい、そのことを受け入れられずに、5年もの間、仏壇の前に毎日座っている。」というワンちゃんの話が、ある番組で取り上げられていました。
それを見ていたオヤジが、ボクに向かって、「もしもお父さんがムサシより先に亡くなっていたら、ムサシもこのワンちゃんのようになるのか?」と尋ねたので、ボクがなくなったときは、オヤジとお母ちゃんが、永い眠りにつくまで見送ってくれたので、お互いに現実を認め合うことができたが、このワンちゃんの場合は、「行ってきますと、家を出て行っただけで、その後、お兄ちゃんに何があったのか、どうして帰ってこないのか納得できずにいるのではないか」と答えました。
ボクだって、オヤジが長い間、海外に行っていたとき、そのまま帰ってこなかったらやはり同じようにしたかもしれない。時々、電話で話すことができ、無事であることを知らされ、いつごろまでに帰ってくるという期待が持てたし、その通りになった。大震災で行方不明になっている家族が、ひょっこりと帰ってくるのではと期待しているのと同じで、このワンちゃんも、現実を受け入れられないのではなく、お兄ちゃんの身に何が起きたのかが納得できないため、こうした行動になったのではないかというのがボクの見解です。