玉の木原芭蕉群生地
水芭蕉というと夏の花を連想するが、実は夏の花です。雪解けの湿原に純白でかれんな花を咲かせる姿は春の訪れを告げています。七ヶ宿の「玉の木原芭蕉群生地」では、早ければ3月末から次々と花を咲かせます。その数何と10万株以上と言われ、自然の花畑は雄大そのものです。ここは、七ヶ宿の中でも山形県境に近い国道113号線沿いに位置するため、仙台方面からも気軽に来られる水芭蕉群生地です。
水芭蕉は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草で、和名「バショウ」は、芭蕉布の材料に使用されているイトバショウの葉に似ていることから、そう呼ばれるようになったということです。中部以北の山間地の湿地帯に生える植物で、春になると20から30㎝の白い花が咲きます。純白の大きな花びらのように見える仏炎苞は、葉の変形したものです。花がたくさん集まった黄緑色の花序を守っているかのように包み込んでいます。
湿原の周囲には散策用の木道も整備されていますので、春のそよ風と共にゆっくり歩きながら清楚な花を観賞することができます。雲が流れ、青い空が水鏡に映ると、ミズバショウは、凛として一段と輝きを増します。見頃はゴールデンウィーク前半頃になりそうです。なお、野菜、果物、保存食、炭などの特産品を販売している「旬の市 七ヶ宿(七ヶ宿町滝上)」では、ミズバショウの見頃を気軽に問い合わせできるそうです。