もろやファームキッチン
昨年12月、仙台市市営地下鉄東西線が開業し、若林地区荒井まで線路で繋がりました。この開業とほぼ同じ時期に、東の始発駅である荒井駅前にオープンしたのが「もろやファームキッチン」です。本格的な開発はこれからという所ですが、ひときわ目を引くビルの2階にこの店はあります。前身の「もろや」は、宮城県の農家レストランの中でも先駆け的存在として知られています。オーナーである萱場市子さんが、自宅で農家レストランを開いたのが16年前です。仙台の穀倉地帯である荒井地区で九代続く農家であり、自家製の野菜をふんだんに使った郷土料理や創作料理を提供し始めると、「畑の旬」を伝えるそのやさしい味わいがすぐに評判になりました。
「畑に咲く野菜の花を添えたり、間引き菜を使って料理をしたり。農家にとっては当たり前のことでこんなに喜んでもらえるのかと夢中でやってきました」と萱場さん。現在は田畑合わせて6haの耕作地に、伝統野菜や西洋野菜など150種を栽培しているという。ご主人と息子さんが主に農作業を担当し、萱場さんは娘さん二人とスタッフと共にレストランを切り盛りしています。明るく広々としたスペースに個室も含め、テーブル席が40席もあります。
長年の「もろや」ファンはもちろん、近所の子育てママたちのグループや隣県からの農家レストラン視察グループなどで賑わっています。ランチは大豆パスタセット(900円)や日替わり一汁四菜(800円)など、以前に比べメニューも増えましたが、一番人気は、「野菜のランチコース」(要予約)だそうです。前菜から煮物、焼き物など季節の野菜がたっぷりで、しみじみとした素朴な味わいと新鮮な驚きのある料理です。田園地帯だった荒井地区も、今後はどんどん姿を変えていくことでしょう。