靴屋さんの閉店セール
大阪・西天満にある「靴のオットー」という店の閉店セールが話題になっています。20年にわたって閉店セールの垂れ幕を下ろしているこの店は、「店じまい売りつくし」「いややっぱりやります!どっちやねんセール」といったユニークなキャッチコピーで有名ですが、今度は本当に閉店するというのですが、果たして本当に本当なのか、もっぱら話題になっているのだそうです。店主の竹部浅夫さんは、靴底を厚くして身長を高く見せるシークレットシューズの発案者として日本で初めに販売した人でもあるそうです。
お客さんの中には、20年も騙され続けてきたなどと笑っている人もいるようですが、なんとやさしいお客様ではないでしょう。ここまで来ると、閉店セールの文字は笑いとペーソスを誘うラブコールで、だれもインチなどと文句を言う人はないと思うのですが、中には「詐欺罪に当たるのでは」と野暮なことを言う人もいるとか。ボクに言わせれば、長年通い続けたお客さんは、騙され続けてきたというより、「今日も閉店しなかった」ことにほっとして、密かに応援していたのだと思います。
ユーモアのわからない人の中には、このように「やめます」といったかと思うと「続ける」というのは、「朝令暮改」だといって非難する人がいますが、こうしたことは政治の世界や芸能界などでは日常茶飯事ではないでしょうか。ここはもう少しおおらかに、「やめます」という気持ちも本当なら、「続ける」というのも本心であると信じてあげませんか。その方が世の中丸く治まるような気がします。少なくとも、ボクたちワンちゃんの仲間うちでは、それが当たり前です。そうでないと人間社会ではこんなに長く生きて来られませんでした。