お母ちゃんの心遣いに感謝
ボクが無類のリンゴ好きだということは、これまで何度となくお伝えしてきました。お母ちゃんとオヤジは、「ムサシはどんなリンゴでも美味しそうに食べてくれるね!」などと、いつも笑いながら話しています。そして、そう言いながらもお母ちゃんは、ボクの写真の前に一番おいしそうなリンゴを供えてくれます。今日も、「取り替えるのが少し遅くなってごめんね!」とボクに話しかけながら、真っ赤なリンゴをそっと置いてくれました。
今のボクには、リンゴを美味しそうに食べて見せることはできませんが、お母ちゃんとオヤジには、ポリポリとリンゴをかじる音がきこえ、満足そうな表情まで鮮明に見えているのでしょう。ですから「もうリンゴを供えてくれなくてもいいよ」などという気にはとてもなれないのです。お母ちゃんは、おそらく自分たちの命が尽きるまで続けるつもりなのでしょう。合理主義者のオヤジも、これには異論がなさそうです。
お母ちゃんの気遣いはリンゴのことに限ったことではありません。例えば、ボクの居場所が今も確保されていること、散歩のときのリードや衣類なども以前のままで保存されていることです。その光景は、一見どこの家にもあるように見えるかも知れません。ボクから見ても確かによくある景色です。しかし、わが家にはボクにしか感じられない独特の雰囲気があり、それは、何とも言えない居心地の良さなのです。