閖上の「赤貝」
かつては伊達家の台所だった言われていた「閖上」は、8世紀頃に浜の漁師が観音様をゆりあげたことに由来し、さらに千年の時を経て仙台藩代4代藩主伊達綱村により、閖上の漢字を用いられるようになったという。門に水は、仙台の大年寺の山門から閖上の海が見えたことからだそうです。そんな「閖」への自負を持って、24店舗と7事業所が一つ屋根の下で協働しているのが「閖上さいかい市場」です。
閖上といえば赤貝が名物ですが、7、8月の禁漁を終えて、9月には漁が始まります。東京の料亭や高級寿司店でもなかなかお目に掛かれないという希少な赤貝を食べたり買ったりできるのが、この市場の魅力の一つです。10年ほど前に、冷夏などもあって全く取れなくなった時期には、赤貝の漁師たちはみんなアルバイトをして凌いだこともあったという。そうした時期をへて赤貝の漁もすこしずつ戻ってきたのだそうです。
その時をきっかけに、禁漁期や保護区を設け、獲れても小さいものは保護区に再放流したり、年に1回から2回の海底清掃を行ったりしています。赤貝は獲れたての生から、塩漬やオリーブオイル漬けなどの新鮮さそのままの加工商品までいろいろあります。名物の赤貝丼や赤貝の寿司などを提供する料理店もあります。また、11月から12月には赤貝まつりも予定されているので、この機会に日本一の赤貝を味わってみてはいかがでしょうか。