奥新川の紅葉
今は無人駅となっている奥新川駅は、奥新川渓谷の二つのルートである「奥新川ライン」と「新川ライン」の起点になっています。広瀬川支流の新川川、南沢川沿いに遊歩道が整備され、広々とした歩道を歩くと、深い渓谷美にあふれ、赤く燃えるような秋を全身に感じることができます。紅葉した遊歩道をしばらく歩くと、「かくれ滝」と「清水滝」の標識が見えてきます。
急な坂を下り「かくれ滝」まで行くと、何本もの吊り橋があり、これを渡ると滝が見えてきます。この「かくれ滝」は、本流の脇にあり、水量はあまり多くありませんが、苔で覆われた岩から湧水が一筋の線となって流れる景色は、渓谷ならではの感動を覚えます。そして、「かくれ滝」から上流に向かって沢伝いに歩いていき、ふと振り返ると、改めて紅葉した渓谷美が目に染みる思いです。さらに奥へ進むと、今度は、「清水滝」に出ます。
ここは、上からも下からも眺められるようになっており、ゴーゴーという滝の流れと周りの一段と赤身を帯びた美しい景色を見せてくれます。奥新川ラインの遊歩道は、ここが折り返しになっているので、帰りは左側に渓谷を見ながら進むと、今度は林の中から、「小滝」が見えてきます。この滝は、文字通り小さな滝ですが、滝の雰囲気が十分に味わえる存在感のある滝です。