こけしの里 遠刈田
遠刈田は蔵王の東山麓に位置する温泉町です。遠刈田温泉へは、JR新幹線白石蔵王駅からバスで約50分、仙台駅からも1時間程度の直行バスがあります。こけしのモニュメントを橋柱にした松川の大橋を渡ると、新地のこけし集落があり、こけし館もあります。この地区の工人宅は、一軒一軒が大きな敷地で、軒を連ねて建っているので、こけしファンが梯子して回るには格好の場所となっています。
宮城県刈田郡宮村遠刈田字新地。この地に、七ヶ宿から移住して来た木地師集団が、遠刈田温泉の川向こうに新しい土地「新地」として切り開き集落を作りました。かつては全住民が、花車家紋の佐藤性を名乗り、全員が木地業という純粋な木地集落でした。歴史的には、箱根や小田原から伝わった木地技術を用い、こけし作りを始めました。
したがって、こけし発生としては鳴子や弥治郎よりもっと早く作り始めたのでした。また、遠刈田系工人は、分流として、青根や白石、仙台、秋保温泉にも工人がいます。それは遠刈田の工人が、他の系統にもこけしの技術を伝え、多くの影響を与える役割を果たしたからです。改めて宮城県の地図を広げてみると、遠刈田がこけし産地の中心に位置することが解ります。