ムサシの解説
先日、あるテレビ番組で、介助犬として活躍するワンちゃんのことが取り上げられていました。警察犬は、7種類のワンちゃんに限られているそうですが、介助犬は、種類や大きさは関係なく、好奇心旺盛で優秀な能力があればどんなワンちゃんでも活躍できるのだそうです。ただし、介助犬には向いていないワンちゃんがいるという専門家の解説もありました。それは、大きな音に驚くワンちゃんだということでした。
そういえば、わが家のムサシは、花火の音や神輿の巡行につきものの鉦と太鼓の音をはじめて聞いたときには、過敏に反応したことを覚えています。しかし、一度経験した後は、相当ひどい雷が鳴っても、特に驚くことはなくなりました。そんなムサシは介助犬には向かないのだろうかと疑問に思い、ムサシにそのことを聞いてみました。するとムサシは、「何をいまさら」とでも言いたそうな表情を浮かべながらも、一応コメントしてくれました。
僕たちに限らず、誰でも最初は自分が置かれている環境がどんなものかを、経験を通じて学習しながら先輩たちの真似をすることから始める。そして、自分なりの対処の仕方を覚え、これを一つのモデルとして記憶しストックする。さらに経験を重ねることによって不動のものにしていく。したがって、最初に大きな音を聞いたとき、何の反応も示さないのは、肝が据わっているからではなく、単に鈍感なだけなのではないでしょうか。