瑞巌寺本堂
平成21年より、建立以来初めての大改修に入っている国宝瑞巌寺では、大改修に伴い現在非公開となっている本堂が、来年4月5日から再公開されることになりました。現在行われている陽徳院御霊屋寶華殿と国宝庫裡内部の特別公開は、来年4月4日で終了します。瑞巌寺に隣接している陽徳院は、伊達政宗公の正室陽徳院田村氏愛姫(めごひめ)の菩提寺で、禅宗の修行寺となっています(非公開)。
陽徳院本堂の左脇の緩やかな石段を上ると、深緑の中に、色鮮やかな御霊屋が姿を現します。万治3年(1660年)、孫の綱宗公によって造営されたもので、須弥壇には、念持仏と政宗・愛姫夫妻の位牌が安置されています。長年この場所にあったため、褪色や傷があったものを、公開に合わせて平成18年から3年かけて、創建当時の絢爛豪華な姿に復元したものだそうです。手前に柵があるものの、覆堂はなく、見事な意匠、組木の技、色彩の厳密さを間近に感じることができます。
瑞巌寺本堂とほぼ同時期に建てられた庫裡も、今だけ内部を見ることができます。北側にある大書院を仮本堂として、本堂に安置されていたご本尊、藩祖政宗公と2代忠宗公の大位牌、洞水禅師・雲居禅師の木造などが一堂に安置され、公開されています。本堂公開後は、再び壇上奥深く納められる貴重な収蔵品の数々が間近で見られます。青龍殿(宝物館)では、古くから歌枕の地、また霊場として栄えてきた松島が描かれた名所図・真景図を集めた企画展が開催されています。