円通院庭園
円通院は、初代仙台藩主伊達政宗の孫である光宗の菩提寺です。茅葺の屋根の本堂と石庭、杉林に囲まれた庭が調和した空間です。境内の木々や草花は、四季折々に様々な表情を見せてくれます。庭園の美しさは有名ですが、コケ、バラ、山野草、杉林、竹林などが歴史的建造物と調和し、とても趣のある雰囲気を醸し出しています。5月中旬には山門の裏手などに淡いピンクのシダレザクラが咲きます。
6月の梅雨時期になると、境内のいたる所に生えているコケが一層際立ちます。天野晴華副住職によると、「適度の雨に濡れると、コケの緑はしっとりと輝きを増す」そうです。境内の奥には、光宗の霊廟で国指定重要文化財の「三慧殿」があり、そこには支倉常長がヨーロッパから持ち帰ったといわれるバラが描かれています。また、バラの庭園が見事なことからバラ寺」としても有名です。
バラは、今年の春に大規模な植え替えをしたため、見頃が例年より少し遅くなり、見頃は秋になるようですが、その頃には、赤、白、ピンク、オレンジなど約200種類のバラが境内を華やかに彩ることでしょう。また、それよりも早い6月中旬には、つるバラや約50種類のバラを眺めることができます。初夏から初秋にかけては、コケとバラの競演は見事ですが、本格的に秋を迎えるとライトアップされた紅葉の出番になります。