仙台城跡
仙台城は初代仙台藩主である伊達政宗が築いた城ですが、2011年の東日本大震災で本丸北西や中門などの石垣が崩落する被害を受けました。同年の12月から復旧工事が始まり、今年2月に工事が完了しました。復旧工事は、石の1つひとつに番号を付け、被災前の写真と見比べて位置を特定したのだそうです。石垣の高さは5ないし8m。石1個の重さは平均500㎏で、中には1t以上のものもあるという。
コンクリートは一切使わず、クレーンで積み上げ、江戸時代の技法を使い9割以上をもとの場所に戻しました。この工事の完成により、市道仙台城跡線は4年ぶりに全線開通し、復元された石垣の威容を見ることができます。また、3月からは、仙台城本丸跡の「仙台城大広間遺構表示」を公開しています。大広間は儀式が行われた重要な建物で、2001年から実施された発掘調査で、大広間の規模や部屋の配置などが判明しました。
調査結果や古い絵図を基に建物の柱の位置を示す礎石を並べ、部屋ごとに「上段の間」など名前と面積の表示版を設置しています。仙台市文化財課の佐藤淳さんは「日本でも有数の規模を誇る御殿建築で、格式の高い建物であったことが伺える」と語っています。リニューアルオープンした「仙台城見聞館」の見どころは、50分の1の模型も新設された大広間「上段の間」の床障壁画の再現だという。