子供たちの歓声に目を細めるムサシ
ムサシと共に寛いでいると、何故か時の流れがゆったりと感じられ、あれもしなければ、これもしなければと、焦る気持ちがなくなります。ムサシはというと、相変わらず私の側でゴロンと寝転がり、何かあったら起こしてくれ!とでもいうように落ち着き払っています。そんな時、突然近所の子供たちのかん高い声が飛び込んできて、一瞬ビクリとして頭を持ち上げましたが、すぐに目を細めて外の様子を窺っていました。
そういえば、私も子供たちの笑い声を間近で聞くのは久しぶりのような気がします。以前は、入れ代わり立ち代わり、孫たちが顔を出していましたので、賑やかでしたが、今では、学校の部活動や友達との付き合いなど、何かと忙しいらしく、みんな揃って焼肉を食べに行く機会も少なくなりました。それはそれで喜ばしいことなのですが、やはり子供の声が聞こえないというのは寂しいものです。
以前はムサシと散歩をしているときに子供たちと出会うと、「触ってもいいですか」といって駆け寄ってきたものです。ムサシもまんざらでなく、精一杯の笑顔で応えていたものです。わが家の孫たちばかりではなく、ご近所の子供たちも高学年になっている筈なので、みんなで遊ぶ声が聞こえなくなって当然なのでしょう。ムサシにしてみれば、忘れかけたその声が突然耳に飛び込んできて、ちょっと驚いたのかもしれません。