もうすぐ桜の季節
東北の春は遅く、3月の半ばを過ぎなければ春が来たという実感がしません。ちょうどそのころが春の彼岸なので、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通りなのかもしれません。わが家のムサシは寒い地方の生まれなので、冬の寒さにはなれているようですが、それでも、散歩の後には、いつも暖房器具にかじりつくように陣取って過ごすのが日常のスタイルでした。
そんな姿を見ると、「寒さに強い」ということと「寒いのが好き」とは違うような気がしたものです。そういえば、私たちも、寒いところに長くいて、暖かいところに入ると、それまで寒かったことが身に染みて感じられることがあります。ムサシもやはりそんなかんじだったのかもしれません。それでも、寒さに強いことには変わりありませんので、羨ましい限りです。
そんなムサシも春が来るのを楽しみしています。それはなんといっても花見の季節だからでしょう。といっても、ムサシは桜の花そのものよりも、花見をしている人を眺めるのが好きなのです。つまり、花見の雰囲気がとても気に入っているようです。特に晩年は、桜の花に囲まれた広場で、長時間座り込んでいたのが思い出されます。今年は、このスタイルでムサシとおしゃべりしながら、ゆっくりと桜を見物したいと思います。