うしちゃんファーム
石巻を極上の黒毛和牛の産地に!と奮闘している「うしちゃんファーム」という会社が石巻市桃生町にあります。桃生町は宮城県の北東部にあり、北上川が栄養をはこんでくる肥沃な地域で、米作りが盛んなところとして知られていますが、その恵まれた立地を活かしながら、高品質で美味しい牛の飼育に取り組んでいるのは、(有)うしちゃんファームの専務で、(有)ヴィアンドコーポレーションの社長である佐藤一貴さんです。
うしちゃんファームは、以前、農家から牛を30ないし50頭ほど購入し、東京などで販売する家畜商でしたが、現在は肥育センターでの生産にシフトし、宮城県4ヵ所、岩手県2ヵ所で約2500頭の牛を育てています。こだわりは、東北ならではの肥育方法で、国際基準としては、肥育期間が30ヵ月未満のものしか流通できない。九州は24ないし28ヵ月が一般的と言われています。しかし、東北は昔から30ヵ月以上のものがほとんどでした。
その方が深みが出るからなのだそうです。うしちゃんファームも、国内の美味しい牛肉を提供することだけに目を向け、30ヵ月以上肥育を行っています。通常の前期・中期・後期のステージに成熟期をプラスしているのだという。それを可能にしているのが、東北地方の豊富で良質な稲わら。他の大規模農場では、外国から輸入するので、肥育代がかかってしまうが、うしちゃんファームは、近くの生産組合と提携して、牛の堆肥と稲わらを交換しているので、肥育代が安くつく分、肥育期間を長くできるということです。