野々島のラベンダー
塩釜市の海の玄関口マリンゲートから、市営汽船で約30分の野々島は、ラベンダーの島として知られるようになってきました。船着き場から少し歩いたところに、おだやかな入り江があり、これを背景に広がるラベンダー畑が目に入ります。きれいに手入れされたラベンダーは、そよ風に揺られて放つ香りは、代表的なハーブの貫録のようなものを感じさせてくれます。
それもそのはず、ラベンダーはギリシャ・ローマ時代から親しまれてきたもので、地中海地方が原産地だということです。エメラルド色に囲まれた野々島は、ラベンダーにとって格好の環境といえるでしょう。手入れをしているのは「NPOフラワーアイランド野々島」と「野々島自然塾」そして「野々島ラベンダーjk&b」のみなさんで、遠くは愛知県からの人もいるという。
ラベンダーの香りは花ばかりではなく、茎や葉のすべてからふりまかれているのだそうです。野々島に咲くラベンダーは、とりわけ香りの強い品種ですが、多くのボランティアのみなさんによる作業によって護られているせいか、ますますかぐわしい香りと青紫の花が一層際立っているようです。初夏の心地よい海風を全身に感じながら、短い船旅を楽しむのもいいものです。