秋保温泉の一角に、祖父が晩年暮らした空家を改築して今年オープンしたのが、「Pizza & café 森のオープン Ｄｏｔｔｏｒｅ」です。この店は以前、「料理教室のオルガン」として親しまれてきましたが諸般の事情で閉店してしまいました。いつかまた再開をという声に押されて、母の代からのお客様に恩返しをしたいという気持ちから、窯焼きピッツァのカフェをつくりました。

料理教室時代の家具を使いつつ、白を基調としたナチュラルな空間づくりを心掛け、惚れ込んだ窯焼きピッツァ屋に半年間通い詰め、技を学んだというオーナーの佐藤さんは、イーストを使わず発酵させ、自家製の生地にたっぷりの旬食材をのせて、１分半ほど窯で焼きます。こうすることで、時間がたっても柔らかく、もっちりした食感が楽しめるという。

生地を焼きすぎず、チーズは溶かすのは難しく、習得までには大変でしたが、いまもまだ修業中だという。イタリア語で医者という意味の「ドットーレ」を店の名前として選んだ佐藤オーナーは、心にも体にも優しい食事と空間を提供したいというお母さんの思いも込めています。その思いが、家具やメニューの一つひとつにぎっしりと詰まったカフェです。