蔵の喫茶店 Cafe 蔵人
南の村田町は、宮城の小京都といわれ、江戸時代から蔵が立ち並ぶ町として知られています。この街の目ぬき通りに、どっしりとした雰囲気を醸し出す木の格子戸の店があります。ここが、「蔵の喫茶店 Cafe 蔵人」です。着物の古着屋、鯉の養殖屋など数々の役目を果たしきた建物は、3年前にカフェとして蘇り、新たな役割を担うことになりました。
祖父の代に建てられたという112年前の建物を、5年前にフリーになった山家浩之さんが、喫茶店にしようと立ち上げたのがこの店というわけです。ご主人は、はじめ陶器市を手伝っていましたが、蔵通りに休める場所が欲しいという声に応える形でオープンしました。折角なので、若いころ通っていた店のサイホン式で格別の珈琲を煎れようと決めました。
今も現役で頑張っているマスターを訪ねて技を習い、豆は必ず2杯分ずつ挽き、一度に2杯分の珈琲を煎れる。この方法だと、時間がたっても味が薄まらないというのがその理由です。アイス珈琲には、珈琲を凍らせた氷を使っているとのことです。古き良き時代のレコードの音色と時を刻む柱時計、サイホン式珈琲は、秋の訪れを歓迎しているようです。