釜神様
釜神様とは、宮城県の北部に伝わる「かまど」に祭られた神様のことです。「釜神様」は、もともと、家を新築した際に、大工の棟梁が余った木材で彫刻し、家主に贈ったものだそうです。通常は、かまどの側や土間にかざられていましたが、最近では土間のある家屋はなくなったのですが、伝統の文化が見直され、インテリアとしても脚光を浴びています。
加美町文化協会に属する「木彫りの会」には、加美をはじめ仙台、東松島、気仙沼在住のメンバー36が集い活動しています。「釜神様」は、白木でつくられていましたが、かまどの煙によって燻され黒くなったためか、今でも黒い色が人気だということです。「釜神様」はその形相が恐ろしい厄除けの神様ですが、子供のいたずらを戒める存在でもありました。
現在は、木彫りの会のようなグループや個人が、その伝統文化を受け継ぎ、「釜神様」の制作にあたっています。この会では、作品を施設へ寄贈し、そこで展示してもらっているほか、県内各地で作品の展示会を開いています。メンバーの皆さんは、釜神文化の研究にも熱心で、展示会の来場者に釜神の風習を理解してもらうため説明にも努めているそうです。